オープントーナメントの意義

本大会をオープントーナメントにしたことについて、ご説明いたします。
「日本人のブラジリアン柔術黒帯世界王者を誕生させよう!」ということが目的なのに、
外国の有力選手の参加も認めるのはおかしいのではないか?という

ご意見をいただいたからです。

本大会のご寄付の募集を始めるときに、賞金トーナメントの参加は日本人だけに限るか、
オープンにして誰でも参加できるようにするか、ということについては私も悩みました。

最終的に、下の理由から、賞金トーナメントは完全オープンにして

外国人を含む誰の参加も認める、という前提でご寄付も募っております。


1)
本大会の意義はあくまでも

「日本人のブラジリアン柔術黒帯世界王者を誕生させよう!」ということであり、
「ルースター級で最も強い日本人選手に賞金を授与します」ということではないからです。
このことは似ているようでかなり違います。

このお金を賞金として、やる気のあるルースター級の選手に世界中から来てもらって、
その大会を制した日本人選手に賞金を授与する。これがベストシナリオのはずです。
有力外人選手が来ても日本人一丸となって戦えばよいのです。

(当然のことながら、この文章の意味は、主催者がトーナメントを操作する、

 ということではありません。精神的なものを指しています)


「有力外人が来る!?日本人負けるに決まってるじゃん、
 そんな賞金トーナメント意味無いでしょ、せっかくの寄付も無駄だ」という態度は、
「日本人のブラジリアン柔術黒帯世界王者を誕生させよう!」をいう姿勢からは

遠く離れていると、私は思います。
(もちろん、そういう態度の方がいらっしゃっても、問題はありません。
 ただ、この大会の趣旨は少し違う、ということを説明したいのです。念のため)

負けることは悔しいことです。
せっかくの賞金が、外国人選手によって奪われてしまうことは、
ご寄付いただいた皆様や、大会に参加した選手全員が一様に感じる悔しさのはずです。
そして、それを多くの方々で力を合わせて創意工夫して乗り越えることが、
「日本人のブラジリアン柔術黒帯世界王者を誕生させる!」ということのはずです。


2)
自分の体験から言って、ホームである日本で有力外人選手と試合をすることは、
アウェイで勝つためにとても大きな意味があります。
少なくともホームで勝てなければアウェイでは勝てません。
本大会で、その場所を作りたいと考えました。

 

 

3)
参加者の範囲を決めるのに、日本人だけ?日系人は?

外国に住んでる日本人は?国籍の有無は?と考えるとキリがなかったので、
完全オープンにしました。

これだとやる気のある人が出れる、ベストではないものの、

ベターな仕組みだと思ったからです。


4)
オープン参加にしても、有力外人選手の参加の可能性は

それほど高くはないかもしれないという予測がありました。
彼らが日本に来て滞在する費用に一人あたり20万円近くかかるはずなので、

セコンドなども帯同した場合、賞金を受け取ってもそれほどの利益はないです。
また、有力外人選手が多数参加した場合、共倒れになります。
及び、初めての大会なので本当に開催されるのかという不安や、

アウェイなので体調管理やレフェリングの公正さも心配になるはずです。
(もちろん、国籍にかかわらず公正なレフェリングを行います)

しかし、一面では、階級別としては世界最高レベルの賞金額なので
(アブダビコンバットでは階級別の賞金は1万ドルとほぼ同額。

 無差別級の賞金は4万ドルと、ワンランク上ですが)
体重が軽いということで悔しい思いをしている選手が、

日本という憧れの土地で、大きな舞台が開かれる、
ということで世界中から参加されるかもしれません。
これは、開催してみないとわからないことです。


5)
オープントーナメントにせず、国内の有力選手に声をかけて主催者が選手を選抜する、
という方法も考えられました。
しかし、これでは「なんで俺には声をかけないんだ」とか
「別にそんな大会には出たくない」という
反応をいただくことも考えられます。

また、年間スケジュールになかったこの大会への参戦で、

選手の体調管理や、スケジュール的にご負担をかけてしまうことも考えられます。
この意味でも、オープントーナメントにすることが、
「本大会の趣旨に賛同いただける方に参加していただく」という
本来の趣旨に合致していると考えています。